November 17,2022

道士房玄齢とキョンシー李世民とペキニーズ獬豸(かいち)

・獬豸って何?
李氏の祖先である皋陶(こうよう:堯舜の時代に公平な裁判をおこなったとされる伝説上の人物)が、裁決に用いた正邪を見分けることのできる聖獣。罪のある方を角で突き刺したり腹に噛み付いて食べたりする
・なんで獬豸の素体がペキニーズなの?
『説文解字』によれば「牛に似ている」、任昉『述異記』によれば「一角の羊」で結構大きいみたいだけど、可愛くないから素体をペキニーズにしたよ(唐代にペキニーズがいたのか知らないけど、《簪花仕女図》に描かれている子犬がペキニーズっぽいから)

積読を消化しててたまたま岡田和一郎編『漢とは何か』(東方書店 2022)、菊地章太『儒教・仏教・道教 東アジアの思想空間』(講談社 2022)を立て続けに読んだんですが、2冊とも中国史の概説書や歴史書を読み込むだけでは手が届かない部分の知識や感覚を身に付けるのにとてもいい本でした
こういう「中国史」(現代中国を含めない帝政期中国)を勉強する上で役立つ本いいよな〜
今年出た竹内康浩『思考と行動の中国史』(山川出版社 2022)もその系統の本なのでおすすめです あとTwitterで定期的に名前を出してる『「生き方」の中国史 中華の民の生存原理』(岩波書店 2005)もおすすめ
『漢とは何か』の参考文献に竹内先生の『「正史」はいかに書かれてきたか―中国の歴史書を読み解く』(大修館書店 2002)も挙げられてたけど竹内先生ってそういう方面にめちゃ強いと思う