『貞観政要』巻第三論択官第七

『貞観政要』巻第三論択官第七より 李世民と房玄齢と杜如晦と働き方改革


貞觀二年、太宗謂房玄齡・杜如晦曰、「公為僕射、當助朕憂、廣開耳目、求訪賢哲、比聞卿等聽受詞訟、日有數百、此即讀符牒不暇、安能助朕求賢哉。」因敕尚書省、細務皆付左右丞、惟寃滯大事、合聞奏者、關於僕射。
(『貞観政要』巻第三論択官第七)

(訳)
貞観二年、太宗が房玄齢と杜如晦に語って言った。「公は僕射だ。であるから朕の憂いを助け、耳目を広開し、賢哲を求訪するべきである。ところが近頃聞くところによれば、卿等は訴訟ごとを聴き裁くことが日に数百もあるという。これでは文書を読むに暇もないではないか。どうやってよく朕を助け、賢人を求められようか。」と。そこで尚書省に勅して、細務の処理はすべて左右丞に任じ、ただ冤罪や遅滞した大きな裁判事件で天子に聞奏すべきものだけを、僕射に関与させるようにした。