April 18,2023

李世民さんの絵をアップするたびに中国の方から翼善冠は明代の冠だよとか中国の皇帝の装束は黄色だよとかコメントもらうんですが、実は翼善冠は李世民さん自身が作った冠で、高祖〜太宗期の皇帝の圓領袍の色は赤黄色です
ということを一枚の画像にまとめておこうと思い作ったメモです

この絵をtwitterにアップしたら中国の有識者の方から「李世民の時代の翼善冠は真っ黒だと思う、中国では明末期の皇帝以降翼善冠に龍の装飾を追加するのが一般的になったけど、それ以前は素朴な美意識だったはず」とリプをもらって確かに!となったのでまた変えるかもしれません
李世民さんも翼善冠について「古来からの冠と幞頭を融合させた」と言っているので、烏紗で覆われた質素な冠の方がイメージが近そう
でも百度百科の翼善冠の頁には「唐代に比べると明代の翼善冠はずっと簡素化されている」と書いてあって謎(この説明の出典も謎)
幞頭も好きだけどせっかく李世民さんが制定した冠なので創作では李世民さんにいっぱい翼善冠着用させたいな

ちなみに高祖〜太宗期に着用された「赭黄袍」(『新唐書』車服志)はこういう色です

左:李淵パパ(唐高祖立像) 右:李世民さん(唐太宗立像)(どちらも台北故宮博物院所蔵)
赤い…
李世民さんは黄袍のイメージが強いので、中国の人でも赭黄袍の方が創作っぽく見えるのかもしれない