July 18,2017

漫画の冒頭は『貞観政要』巻六論倹約第十のエピソードを下敷きにしています。

 〈貞觀二年、公卿奏曰「依《禮》、季夏之月、可以居臺榭。今夏暑未退、秋霖方始、宮中卑濕、請營一閣以居之。」太宗曰「朕有氣疾、豈宜下濕。若遂來請、糜費良多。昔漢文將起露臺、而惜十家之產、朕德不逮於漢帝、而所費過之、豈為人父母之道也?」固請至於再三、竟不許。〉

 貞観二年、公卿が上奏して言った。「《礼記》には「季夏の月は〔暑気を避けて〕臺榭(高台)に居るべきである」とあります。今盛暑が退かないまますでに秋の長雨が始まり、宮中は土地が低くじめじめしております。高台一閣を建ててそこでお過ごしになるべきです。」
李世民は言った。「朕には気病があり、湿気は体に宜しくない。しかし上奏の通りに高台を建てれば多くの経費がかかる。昔、漢の文帝は露台を作ろうとしたが、その費用が〔中流家庭の〕十家分の資産に相当すると知ると、その費用を惜しんで中止した。朕の徳は漢の文帝に遠く及ばないのに、文帝以上に浪費するというのは、どうして人の父母の道に沿っていると言えよう。」ついに申し出を許さなかった。
(『貞観政要』巻第六 論倹約第十 / 参考:新釈漢文大系96『貞観政要 下』原田種成著、明治書院 1978)

李世民は度々太極宮は湿気が多くて夏場過ごしにくいと口にしていますが、当時の長安は敦煌より湿度が高かったそうで、そりゃ愚痴も言いたくなるよね…