January 30,2017

〈しかし、これらの伝説や音楽の中に想像されるだけでなく、実際に金の桃は存在したのである。7世紀に2度、サマルカンド王国が、中国の皇帝に朝貢物として見事な黄色い桃を送った史実があり、「鶏卵ほどの大きさで、黄金のような色をしていたので「金桃」ともよばれた」と記録されている。
この王者の桃を実らせる木は、セリンディアの砂漠を越えて、駱駝に乗った外交使節団に運ばれ、長安の宮廷果樹園に植えられた(訳者注:セリンディアとは、オーレル・スタインが使った言葉で、中国を表す「セリカ」と「インド」の合成語。具体的には、トルキスタン東部、タクラマカン砂漠をさす。)
果たしてどんな実がなり、どんな味がしたのか、今となっては想像する由もない。この桃は、それにまつわる伝説ゆえに、神秘性を加えられ、唐代人が憧れ求めてやまなかった異国の品々、未知なるものの象徴となった。〉
(『サマルカンドの金の桃―唐代の異国文物の研究』(エドワード・H・シェーファー著、伊原弘監修、吉田真弓訳、アシアーナ叢書 2007)

『サマルカンドの金の桃―唐代の異国文物の研究』をようやく買いました。
唐代に異国からもたらされた文物の百科辞書のような本で、読んでいて面白いです。
唐代の皇帝について「愛国心が強く好戦的」と形容しているくだりがあって思わず笑いました。あってるあってる

ツイッターで果物好き好き皇帝かわいいという話をしたら三毛さんが描いてくださいました!

メロン大好きバーブルさんと桃を食べる李世民さん…かわいいよ〜〜〜っっ