Tag Archives: 尉遅敬徳

尉遅敬徳と槊

May 11,2020

槊(馬上で使用する矛)について調べていたら長さ1.8mしかなくて衝撃を受けました。意外にコンパクトだ 単雄信の使っていた寒骨白という騎兵用の槍は一丈七尺(唐尺で5.7m)、刃の重さだけで七十斤(47.6kg)あったらしいので(『酉陽雑俎』)、敬徳は李世民を守って雄信を撃退した時雄信の懐に自分から入って槊を刺したことになる。熱いね ちなみに『酉陽雑俎』によれば、寒骨白は雄信が幼少期に学堂の前に植えた棗の木を十八歳になって伐採して作ったものだそうです。世民の軍と遭遇した際に、世民に白羽の矢を刃に当てられ火花を出し、最後は敬徳に引きおられたらしい 尉遅敬徳x李世民って政権取ってなかったら後世でナチュラル・ボーン・キラーズみたいな凶暴カップルに描かれてそう 凌煙閣二十四功臣の色々まとめ 立ち絵の下書きとツイッターで流行ってる相関図(相関図ではない)を作ったので載せました 張亮、侯君集、張公謹の描き分け自分の理想通りにできた 2017〜2020の二十四功臣図を眺めてたらキャラデザみんなころころ変わるのに唐倹だけブレてなくて元気でました 隋朝の人物を充実させたくてひとまず人物紹介ページに蘭陵公主(楊堅の第五女)と南陽公主(楊廣の長女、宇文士及の妻)を追加しました。蘭陵公主は隋書と北史の蘭陵公主伝と柳述伝を組み合わせてます。楊廣の暴君ムーヴが出てる 宇文士及は堅実な仕事ぶりと立ち回りのうまさでややダーティな印象があるんですが、南陽公主への態度を見るとちゃんと礼節を弁えているし、彼も隋末唐初の動乱に痛みを抱えた一人なんだな〜と思いました。この時代の人たちはやっぱり面白いな…

長孫無忌

November 18,2019

凌煙閣二十四功臣の立ち絵の下書き 元絵が大きい分ここ半月のほとんどをこれを描くのに費やしています まだ頭身や身長の調整も残ってる この過酷なマラソンから抜け出したい 当サイトの歴史創作では功臣の身長差などは特に想定しておらず、漫画やイラストでは一律に同じ身長で描いていました 立ち絵をかきはじめたら二十四人の人間を全員同じ身長に描くのがあまりにも難しかったので、脳内イメージでなんとなく身長差が決まっていきました このあとまた調整しますが 秦叔宝=程知節>尉遅敬徳≧屈突通>段志玄=劉弘基>李靖=柴紹=李世勣>李孝恭=殷開山=長孫順徳=張亮=侯君集=張公謹=劉政会=唐倹>長孫無忌=高士廉>杜如晦=魏徴=房玄齢=蕭瑀>虞世南 くらいがいいなと思います 玄齢如晦魏徴王珪、敬徳と通、二李、張亮と君集は画面の映え的にも身長を揃えたい 李世民は虞世南をちょっと見上げるくらいの身長差だと可愛い〜…

玄甲軍漫画1

March 06,2018

字読みにく… 年に一度くらいの頻度で描く玄甲軍の装束 参考にしたのは昭陵六駿颯露紫像と『中国古代甲冑図鑑』(劉永華著、春日井明訳、アスペクト 1998)です (左:昭陵六駿颯露紫像 右:章懐太子墓(李賢王墓)壁画) 丘行恭像の矢筒についている飾りがよくわからなくて、李賢墓壁画なんかで見るような貂とかの動物のしっぽかと思ったけど確信が持てなかったので適当に描いてしまった 屈突通と尉遅敬徳の二人をよくセットで描いていますが、この二人は『旧唐書』太宗本紀の史評でまとめて紹介されています 臣の文皇帝を観るに、迹(あと)を発すること多奇、聡明神武たり。人物を抜けば則ち党に私せず、志業を負えば則ち咸(みな)その才を尽くす。屈突、尉遅の仇敵によりて心膂を傾けんことを願い、馬周、劉洎の疏遠より卒(つい)に鈞衡を委ねる所以なり。 (『旧唐書』本紀第二太宗) 屈突通はもともと隋の忠臣で、李世民以外が降した降将で、李淵に重任され李世民陣営に入りそのまま李世民の忠臣に 尉遅敬徳は隋末に劉武周の配下となり、李世民が直接降した降将で、李世民陣営からそのまま李世民の忠臣に 同じ「仇敵」でも対照的な二人ですね…