カテゴリ「鑑賞48件]

ザ・バットマンを見た(ネタバレあり、映画ジョーカーの内容にも言及)

傑作でした
私は映画ジョーカーが全然好きじゃなく、貧困層の怒りの矛先が政治腐敗や体制にではなく富裕層に向かうところ、女性(特に黒人女性)が主人公であるアーサー(白人男性)の孤独を深める装置としてしか登場しないところ、「善と悪」は相対的なものであるという詭弁などなど映画全体にオルタナ右翼臭を感じ(しかもラストに「全てはアーサーによる露悪的なジョークです」という逃げ場を残しているのも最悪)、正直ジョーカーがウケるアメリカ社会そのものにドン引きしていたので、それらへのカウンター的な描写の多数ある愚直なヒーロー映画ザ・バットマンを見てアメリカの良心を確認して救われました
腐敗した権力や体制はクソで、ただしそれに抗うためのテロリズムや暴力や殺人は許されることではなく、白人男性と黒人女性の権力は不均衡だけれど両者は連帯でき、悪を暴力で排除するのではなく困難の中に人を助ける者こそがヒーローであり、善と悪、テロリストとヒーローはそこが決定的に違う…といったメッセージをフィルム・ノワール風の画面とエンタメ寄りの脚本で届けてくれる傑作… ウォッチメン超えてザ・バットマンがアメコミ実写映画で一番好きかもしれないです
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鑑賞

映画の話
2023年に見た映画含めて好きな映画40本を改訂しました
これ→https://www.neverendingchartrendering.or...

映画40本2023
見終わった後に世界に希望が持てる映画をちょっと増やした
見たばかりなので首の順位高いですが今後も上位固定だと思う

1.「羊たちの沈黙」(1990)
2.「スクリーム」(1996)
3.「NOPE」(2022)
4.「霧につつまれたハリネズミ」(1975)
5.「ふしぎの国のアリス」(1951)
6.「首」(2023)
7.「CHICAGO」(2002)
8.「ホテル・エルロワイヤル」(2018)
9.「アス」(2019)
10.「パラサイト 半地下の家族」(2019)
11.「12人の怒れる男」(1957)
12.「アメリカン・サイコ」(2000)
13.「ハードキャンディ」(2005)
14.「コックと泥棒、その妻と愛人」(1989)
15.「狩人の夜」(1995)
16.「ラストエンペラー」(1987)
17.「パルプ・フィクション」(1994)
18.「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
19.「ノーカントリー」(2007)
20.「アメリカン・ビューティー」(1999)
21.「最後まで行く」(2014)
22.「8 1/2」(1963)
23.「スクリーム」(2022)
24.「スクリーム6」(2023)
25.「ムーンライズ・キングダム」(2012)
26.「聖なる鹿殺し」(2017)
27.「ヘレディタリー/継承」(2018)
28.「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」(2019)
29.「黄色いロールス・ロイス」(1964)
30.「透明人間」(2020)
31.「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」(2017)
32.「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」(2017)
33.「イット・フォローズ」(2014)
34.「シャイニング」(1980)
35.「情婦」(1957)
36.「地獄の黙示録」(1979)
37.「ラ・ラ・ランド」(2016)
38.「おしゃれキャット」(1970)
39.「何がジェーンに起こったか」(1962)
40.「ファウスト」(1994)
41.「ロッキー・ホラー・ショー」(1975)
42.「ファントム・オブ・パラダイス」(1974)
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鑑賞

スクリーム(2022)とスクリーム6をようやく見ました
スクリームシリーズ、最高〜

Salem - Fall Out of Love (Official Audio)

Wallows - I Don't Want to Talk (Official Video)
スクリーム(2022)のエンディング曲2曲とも好きです
7のキャスト降板の話つらいですが私はジェナ・オルテガを支持します

鑑賞

首(ネタバレあり/マストドンの投稿のリユース)

たけし秀吉かわいい
男たちの愛憎、衆道・同性愛関係性、打算、業、残酷さ、怒号、流血、スプラッター描写、「侍」「武士」に象徴されるものの滑稽さをいっぱい描いてくれてる
そして泥まみれで汚くて怖くて人がたくさん死ぬ、ロマンを徹底して排除した戦場の描写やサービス的な女体消費や男女のロマンスがないところなど「描かない」ものの選択もきちんとしておりこの取捨選択のセンスがめちゃくちゃ「今」だなと思った
あとやっぱり歴史創作のオタクとしてここまでやっていいんだ…とかこういうこともやっていいんだ…という種類の感動があり、魂の一部がこの映画を見て成仏した
総括:サンキュー北野武、フォーエバー北野武

あとすでにありそうな考察だけど首の天下人脱落ダービー、
人の命も体もおもちゃのように扱い最後も首を切ること(介錯)に固執して死ぬ信長
常識人に見せかけて家で蘭丸や信長に仮装させた男たちを撃ち殺して憎しみを発散させ、村重も殺し、最期も「武士らしく」甲冑姿で首を切って死ぬ光秀
信長や光秀のような残虐ショーはやらないし清水宗治の「武士としての最期」に馬鹿馬鹿しさを覚えている、けど下っ端を使い捨てにする(腹心の官兵衛すら「まあ俺も助けなかったけどな笑」な)秀吉(でも首なんかどうだっていいんだよ!が言える)
謀殺しようとしても死なずに、忍びの者(半蔵)にも「半蔵、すまんな😞 」と苦労をねぎらえる、無数の影武者を用意し自分の死体=首の価値すらを曖昧にする家康
の順なのではと思った
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鑑賞

ドラマ贞观之治21話

宗室の降格でこんな尺取るとは思わなかった。史実で淡々と決裁された案件を旧臣のせいで難航したように演出するの、韓国・中華ドラマにありがちな対抗勢力の権勢を過剰に盛るやつだ…
ちなみに正史の記述はこんな感じ↓
〈(貞観元年)十一月庚寅、宗室に封ぜられた郡王を、みな県公に降格した。〉(『旧唐書』太宗本紀上)
〈はじめ高祖(李淵)が受禅したころ、天下は定まっていなかったため、広く宗室を封じて天下に示し、皇従弟及び甥、幼児まで数十人が郡王に封ぜられた。太宗(李世民)が即位すると、宗正(皇族の事務を司る官)の属籍を挙げて侍臣に尋ねて言った。「あまねく宗室の子を封じるのは、天下の意思だろうか?」と。
尚書右僕射封徳彝が答えて言った。「往古の歴史を顧みますに、封ぜられた王は今が最も多くあります。往古の歴史を顧みますに、両漢以降はただ皇帝の子と親兄弟のみを王に封じ、血縁の遠い宗室の者は周の郇、滕(郇侯葡と滕叔繡?)、漢の劉賈、劉澤のような大功がなければ封土など得られませんでした。これが親疏の別というものです。先の朝廷は九族を親密にし、一切を王に封じ、爵命は盛んであり、多くの労役を王に給いました。けだし天下を以て私とするようなものであり、至公の道ではありません。」と。
太宗は言った。「朕は天下を治めるが、根本となるのは民である。己の親族を養うために、民に苦労させることなど望まない!」と。これにおいて宗室でも血縁の遠いものは郡公に降格し、ただ功績のある数人を王に封じた。〉(『旧唐書』宗室太祖諸子・代祖諸子 膠東郡王道彦伝)

ところで李世民が房玄齢に「(裴寂、封徳彝といった旧臣を抑えるために)右僕射に就けるのは長孫無忌でなくともお前でもいい。しかし事にしくじれば(封王を降格し呉楚七国の乱のようなことが起きれば)無忌の場合閑職に追いやるだけで済むが、お前であれば鼂錯のようにならないという保証はない」と言ってたんだけど、なぜ無忌の場合閑職に追いやるだけで済むんだ?と不思議だった
長孫無忌と違って房玄齢は旧臣と袁盎と鼂錯のように折り合いが悪いからそうなっちゃうかも><ってことなのかな?
でも史実の房玄齢は封徳彝と仲良い(というか房玄齢と仲悪いの蕭瑀くらいしかいない)のでここめちゃめちゃ矛盾してます(話有誤民草顧仕草)

長孫無忌を羅芸討伐に向かわせるくだりで、副官に薛萬徹を就けたことに難色を示す無忌に李世民が言った台詞
「薛萬徹が旧主(羅芸)に寝返るのが怖いか?萬徹はそこまで賢くないわけではないが、(皇太子の下にいたという)汚名を濯ぐいい機会になる。それに羅芸と涼州については私やお前よりも詳しい。国事についてはお前の意見に耳を傾けるが、お前を指揮官にするのは心配なのだ。かりに尉遅敬徳や侯君集を副官につければ、お前が一番の功績を立てると考え嫌がるだろう」
この台詞は加点ポイント多かった
・おそらく薛萬徹が「憃」(愚鈍)扱いされていた話を下敷きにしている(『新唐書』諸帝公主 高祖十九女 丹陽公主)
・李世民が長孫無忌の軍才を信用していないエピソードを参考にしている(『旧唐書』長孫無忌伝)
・尉遅敬徳と侯君集が長孫無忌のことを嫌ってそうな雰囲気が伝わってくる
減点ポイントは
・史実では長孫無忌と尉遅敬徳を羅芸討伐に行かせている
です
だから史実の内容を曲げてそれっぽくなるような脚色を加えるくらいなら素直に史実を映像化してほしい
脚本家のスパイスが強すぎて素材(史実)の味が行方不明になってる

羅芸は討伐されちゃったけど長孫安業が長楽王李幼良、義安王李孝常と接近して李淵を担ぐき満々とまだまだ波乱が続くっぽくてそれはけっこう楽しみ
あと長孫皇后の親蚕儀礼が見られたのも良かった。長孫皇后の描写だけは今のところ完璧なドラマ
でも親蚕礼の最中に張婕妤が楊妃に接近してるのみてこの二人の席離しておけよ…礼部が席次ミスってるだろ…と思った

見所
お前を右僕射に就けてもいいけど鼂錯みたいにならないという保証がない、と李世民に言われてそこまで私のことを考えてくださるとは…とジーンときてる房玄齢
ドラマオリジナル脚本だけど玄齢が世民に入れ込む様子は丁寧に描いてるのでそこは嬉しい
あと魏徴と喧嘩みたいなギッスギスのやり取りしたあと大笑いして魏徴に朝政の参与を命じる李世民さん
解釈違いだけど、解釈違いなんだけど、悔しいけど馬躍・金士傑の名優二人の長回しのカットが良かったのでこのシーンは見所です
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治20話で膝に受けた矢傷が治らないので最近は映画を見るのに没頭してる
最低映画館の映画レビューで育った人間ですが最近はhttps://twitter.com/kyofu_movieを参考にしてます
いま一番見たいのは「アクエリアス」なんだけどどこも配信やってなくて悲c

鑑賞

ドラマ贞观之治20話

20話にしてとうとうドラマオリジナル後宮ドロドロ展開がくるし「こんな李世民さん/長孫無忌/房玄齢/尉遅敬徳は嫌だ」大喜利も開催されるしで奇跡のカーニバル開幕だ
長孫無忌を右僕射に抜擢したい李世民さんがそれを阻止したい長孫皇后におこ!部屋を飛び出して楊妃のところに向かう←??
長孫無忌を呼び寄せて訓戒する長孫皇后←大納得 冷や汗かいて苦笑いしながら必死に孫皇后を宥めようとする無忌←???
一方その頃の楊妃「元吉の妃だったことを…忘れさせてください」李世民「今だけは私と共に…忘れよう」 (シュル…)(アップで服の紐が解かれるカット)←………
長孫無忌と房玄齢を連れて狩りに行こうとする李世民(馬に乗ってる)を体を張って制止し命懸けて諫言する孫伏伽←演出やりすぎて引く
馬から降りることもなく孫伏伽をめちゃくちゃ雑に扱う李世民←?、???、?(暴力行為)(途中まで本気で怒ってたのかずっと孫伏伽を試してたのかもよくわからない)(最終的に孫伏伽を諫議大夫に抜擢してたけど最後まで舐めた態度取ってるしクソガキすぎる)
孫伏伽が抜擢されるのにイライラして二人で愚痴を言い合う房玄齢と長孫無忌←だからどの世界線の玄齢と無忌なんだ
李淵に媚びる長孫安業と安業と結びついて李神通ら李世民が優遇しなかった宗室とも接触しようとする張婕妤←これはまあ…
そんななか李淵にも真摯に尽くし長孫安業の動きにも目を配る聡明な長孫皇后←素晴らしすぎ号泣号泣号泣

全体的に減点5000、長孫皇后の描き方は加点120点みたいな回でした 焼け石に水
前回の感想で解釈違いイヤッ…イヤッ…になると書いたけど、そもそも史実をまっとうに解釈したら絶対にこういう展開にはならないので今後は解釈違いという言葉は使わずドラマオリジナル展開/改変ということにします。言葉は誠実に使おう
李世民さんの主人公的魅力がどんどん薄れていってるし臣下たちも性格悪いし長孫皇后しか清涼剤がない
逆に一周回って裴寂がいい人に見えてきた

見所
長孫皇后におこってるところの李世民さん悔しいけどビジュがいい 理不尽にキレてて人間としては最悪なのに…
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治19話

民の間で尉遅敬徳と秦叔宝が門神になっているのを見た敬徳が「俺は陛下をお守りするのにお前らの家まで守れとは何事か」と民に食ってかかり、「我々は唐の民です。将軍はすべての家を守り唐を守ってくれているのでは?」と返されてニッコリするシーンがあったけど「こんな尉遅敬徳は嫌だ」の大喜利を見せられてるのかと思いました
「功績を誇り剛直な性格」を「しょうもないことで民に食ってかかるような性質」と解釈されるのめちゃ嫌です

新元号が魏徴の提案した「貞観」に決まり(何でもかんでも美味しいところを持っていく魏徴)、新年のお祝いの宴席で秦王破陣楽を鑑賞しご満悦な李世民さんと房玄齢たち臣下
一人面白くなさそうな魏徴(史実のように俯いてはいなかった。史実の方が尖りすぎてる魏徴)
封徳彝らしき人物が「陛下は実に猛々しい。文徳はお似合いにならないのでは?」とヨイショするとこれに李世民さんが「天下は武によって取るが天下を治めるには文がいる。貞観は文によって治める」と反論
その上で封徳彝(仮)が人材を推挙しないことについても叱責。臣僚もざわつく気まずい雰囲気…
場面は変わって李世民さん、房玄齢、杜如晦、長孫無忌のいつもの面子で政務中に房玄齢が「秦王府と天策府の下僚らは陛下の即位後政務を握りはじめましたが、左右僕射は上皇の臣が掌握しています。すると我々は全てを掌握していないことに」
李世民さんが答えて「だがこの老臣たちは上皇が任命した者。これも譲位の条件の一つだ」
え???

慤壬辰,以高士廉為侍中,房玄齡為中書令,蕭瑀為左僕射,張孫無忌為吏部尚書,杜如晦為兵部尚書。癸巳,以宇文士及為中書令,封德彝為右僕射;又以前天策府兵曹參軍杜淹為御史大夫,中書舍人顏師古、劉林甫為中書侍郎,左衛副率侯居集為左衛將軍,左虞候段志玄為驍衛將軍,副護軍薛萬徹為右領軍將軍,右內副率張公謹為右武候將軍(…)(『資治通鑑』191)

これが改元を待たず武徳九年七月の人事ですが え???
このドラマだと蕭瑀まだ右僕射になってない?まさか裴寂、封徳彝、宇文士及のような重要人物を「老臣」扱いしてこのままフェードアウトさせるのでは…めちゃ嫌です!!
そもそも史実だと房玄齢と杜如晦は封徳彝と親しんで徳彝と対立していた蕭瑀を疎にしたはずなのにそれも反映されてないのが不満
李世民さんが吏部尚書にとどまっている長孫無忌のために貞観律を制定するよう進めたり無忌が律令改定の話し合いに戴冑を呼んだり「褚亮の子褚遂良も字がうまい」と李世民に遂良を推薦したり解釈違いが矢継ぎ早に繰り出されましたが、ラストで後宮に戻った李世民さんが長孫氏に政治の相談に乗ってもらいたそうだったのが可愛かったのでやっぱりこのドラマ嫌いになれない…と思いました
最近は解釈違いイヤッ…イヤッ…っと私が見たかったのはこれだ…ワァ…!となるのの繰り返し。何一つ整わないちいかわサウナ

個人的見所:
李世民さん「お前、賢すぎるぞ。だがまだまだだな」
この台詞良すぎて失神するかと思いました 言われた長孫無忌もそりゃ笑顔になる
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治18話

李五くんとの兎狩りの最中に広野に無数の遺骨が散らばっているのを見つけてしまった李世民さん
天下泰平のために何から手をつけていいか分からなかったが供養から始めよう、と詔して全国の遺骸を回収し火葬して供養することに
「亡卒の遺骸、帛を散じて収む」(白楽天《七徳舞》)だ…
遺骨の火葬に臨む李世民さんが「唐は武徳以来道教を重んじ仏教を軽んじたが、魏晋以来仏教が隆盛し仏教徒の戦死者も多い(だから仏教形式で慰霊する)」って言ってたけど李淵は道教も重んじてないんだよな 李淵の道仏弾圧をクーデター後に撤回したのが李世民さんだし
このとき李世民さんと深遠なやりとりを交わす僧が玄奘だったのでこのドラマでは玄奘李世民さんのスパイ説を採用するのかもしれない
嫌ですけど!?(玄奘スパイ説の流布に断固抗議するクラブ)
あと李建成と李元吉の諡号が決まったり元東宮府・斉王府の臣下にも二人の葬儀に出てほしい李世民さんの面倒くさい彼女ムーヴが出たりしました
史実だと李世民本人が葬儀の日に宜秋門で「甚だ哀しみ」慟哭し、魏徴と王珪が墓所まで陪送したいと表請するとこれを許して旧僚たちみなに送葬するよう命じたって流れなのでこれを映像化してほしかった。もったいない

夜の宮中にてまだ少女ほどの年齢の宮女たち(悲しい)に髭や髪の手入れをさせる李世民さん
粗相したり灯籠を倒しかけたり(これはふつうに危ないが)異様にミスを連発する宮女たちに出ていけと怒鳴ったり書簡を投げつけたり突き倒したりブチギレ(最悪)
「女官も治められないのに国家が治められるか!」と長孫皇后にも激怒(最悪)
しかし皇后がミスした女官たちをケアし話を聞いたところ、遺骸の回収によってそれまで行方不明扱いされていた戦死者が判明し(遺骸は骨になっても衣服や牌は残るので、そこから特定した遺骸を家族に返還したらしい)、少なくない宮女が家族の死を知って悲しみに暮れているとのこと
その話を知った李世民さんは宮中の殿庭に宮女を列させ、家族を失った者に諱を称して(!)哀悼を捧げ、「遺骸を収集したのは天下の民心を案じるためであった。しかし私はお前たちの気持ちを理解していなかった」
そして隣に立つ長孫皇后に「家族を失った者は家に返してやれ」と耳打ち
そのあと皇后と二人で話し合いをして一万人近くいる宮女のうち三千を残して解放することに
突然の李世民DV描写に慄いていたけど宮女解放エピに繋がってよかった。「怨女三千放ちて宮を出し」(《七徳舞》)だ
こうなったら「(張)公謹の哀聞こえれば辰日に哭し」「鬚を剪キり薬に焼きて功臣に賜い李勣嗚咽して身を殺さんと思う」も絶対やると思われるのでガッツポーズ
自分が突き飛ばしてしまった宮女も呼び寄せて謝罪し、「この者に何か持たせてやってくれ」と長孫皇后に言伝する李世民さん
あ〜〜 加点100億

でも長孫皇后と話してるとき解放した宮女が民間に戻れば十数年もすれば人口も増えるってしれっと言ってるの草だった
長孫皇后も7世紀の倫理観なので特に突っ込むこともなくそうですねって名案みたいに褒めてて草
というかよく考えるとどんな事情があろうとまだ十代かそこらの宮女の些細なミス怒鳴り散らしてる時点でだめだろ
減点200億です

見所
寝巻きの上から盤領袍を肩に羽織る李世民さん このスタイル好きすぎる
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治17話
動物(馬)の死ネタがあります

長孫皇后と李元吉の元王妃楊氏が対面
楊氏はすでに李元吉の子を宿しているらしい。李世民はそれを知っていても何も言わなかったとのこと
長孫皇后は楊氏に優しく接し「その子に父親を教えてはだめよ」と助言するのに楊氏は無愛想な態度を貫いたまま退出
このドラマオリジナルの脚本なんなんだろう のちの展開の布石になるのかもなにもわからない

李世民が朝廷で李淵を太極宮から弘義宮に移し、さらに弘義宮を大安宮に改名すると決定したと思いきや、孫伏伽が「上皇のご意見を伺うと言いながら何も聞かずに名前まで変えるのですか!」と李世民に進諫
孫伏伽を無礼だと怒る房玄齢😠死刑にすべきと激昂する長孫無忌😠「この程度の言葉が聞き入れられないのなら今後陛下は世辞しか聞けなくなるでしょう」と場を制する魏徴😠笑って孫伏伽を褒賞する李世民😄
え…どこの世界線の房玄齢と長孫無忌?二人をこんなにもモンスターペアレンツ臣下にする?
朝廷から退出したあと「魏徴だけでも手に余るのにさらにひどいやつが現れるとは」「陛下を喜ばせたい者が陛下が諫言を好むと知って…」と愚痴る房玄齢と長孫無忌
だからどこの世界線の房玄齢と長孫無忌なんだ
16話の感想で「张建亚は人物をやたらひねくれ気味に描く傾向があるのでこれが自分の許容範囲を超えてきたら不安」と書いたけど予想ど真ん中で的中してしまった

ついで渭水に「草原十八部族」(突厥)が侵攻してきたため朝廷で対策を思案する李世民
決戦を説く尉遅敬徳😠いずれは戦うべきだが今は講和すべきという房玄齢😠今の状態でも勝てると血気盛んな李靖おじさん😠突厥の民心が云々言い出す魏徴😠
正史に記載はないものの『隋唐嘉話』によれば李靖は突厥を討ちたがる李世民に「府庫を傾けても貢物をして講和し、伏兵を置いて突厥の兵を退散させる」と献策し実行させたらしいのですが、このドラマの李靖はかなり好戦的
あと執失思力の言葉遣いがヤカラだったのが予想外すぎてふつうに笑った。思力って突厥でも政治家寄りの人間なのに
こんなヤカラを使者に立てたら外交問題になるだろ(すでに大変な外交問題が発生しているが)
思力と対面する李世民さんやたら色っぽかったけど、李世民さんが思力に頡利可汗と突利可汗の名前を出されて「私の友人だな…」って言うところとかなんか…エロッ…って思いました 過去に何かあった男の名前を出された時の反応じゃん

李世民さんが渭水まで引き連れて行った六騎のなかに李五くんがいたけど(史実の面子から誰がスタメン落ちしたんだ?周範?)李五くんの出番はなんぼあってもいいですからねになった 李世民さんが橋の中央まで渡るときも李五くんだけ侍従してついてくる
ここで李世民が伏兵を呼んで頡利を威圧して講和を結ぶとき、頡利と二人だけで「我々は契りを交わした。同香兄弟も同じだ。この関係は変えられない」「その通りだ。私も変える気はない。だが空手で帰ることはできんな」(意訳)みたいな会話しててなんか…エロッ…って思いました(二度目)
過去に何かあった男同士の会話じゃん
そのあとの李世民さんの「お前が望むものをやろう。だがな兄弟、新たな盟約は守ってもらうぞ」って返しもなんか(省略されました。続きを読むにはここをクリックしてください)

渭水の橋の上で白馬の盟(白馬を生贄に結ぶ盟約)を結ぶシーン全体的になんかセクシーでしたね
突厥の兵士の一刀のあと白馬の顔に返り血を浴びる李五くんとか
馬の絶命する瞬間思わず目をつぶる李世民さんとそれを見て薄く笑う頡利とか
突厥人の一刀によって男らしさのシンボルである馬が死に、一人は血を浴び一人はそれから目を背けるって屈服させられるメタファーっぽいと思いました
というかストレートにいうと破瓜を想起させた
頡利を撤退させ突厥対策がひと段落したところで次回李世民さんの全国遺骸回収供養エピやる気配がするので楽しみ

見所
上記のシーン、李世民さんが動物の死を直視できない人間というのがわかってよかったです
郝處俊から「上好生(陛下は死を好まない)」と評されたおれたちの李世民さん…𝙡𝙤𝙫𝙚…
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治16話

李世民さんが即位して長孫氏が皇后に冊封される回
十二旒ごしに見える李世民さんの瞳がこの世の何より美しいと思ってる人間が作ってるドラマですか?
即位式終えたあとの李世民さんが長孫氏に見せた笑顔の穏やかさを見て馬躍李世民まだこんなに魅力的な表情のストック持ってるの!?って思いました まだ見せてない表情民草に全部見せてくれ ポッケにも入ってるだろ
「皇后なんて不安でたまりません」「わしもだ!皇帝なんて…」のやりとりも素朴で可愛い
すでにこの時点で長孫氏に大事(李淵と張婕妤をどう扱うか)を尋ねる李世民と、婦人が国政に携わるべきではないと一線引く長孫氏の関係性が明確になってて良かったです
あと皇后冊封の儀が終わった夜の高揚感の抑えきれない李世民さんが座ったまま長孫氏にハイハイして近づくところで死んだ
李世民さんが長孫皇后の背後に回って簪を差し直すところでも死んだ このドラマでも屈指の名カット
長孫氏が李元吉の妻(王妃)楊氏を側室にしてはどうかと言い出すところは正直「都合のいい正妻」感あってもやもやしたけど、史実の長孫氏も美麗で評判だった鄭仁基の娘を嬪御に加えてはどうかと提案したり生母の亡くなった豫章公主(李世民の第六女)を養子にしたりしてる人なので、まあこういう展開も妥当かと思いました
李世民さんが長孫皇后に頭を下げて「皇后、心から感謝する」と言ったのにはびっくりしたけど(言われた長孫皇后も驚いていた)、こういう描写があるから张建亚はやはり男女cpの描き方が巧い

河北の一件は魏徴がようやく長安に帰ってきて李思行も許されて趙徳言は怒られてすべて丸く収まりました
丸く収まったはずなのに魏徴が発言するたびに李世民さんの臣下たちが魏徴を注視してる雰囲気が全然穏やかじゃなくて笑う
杜如晦は魏徴を見やったりするけど隣の席の長孫無忌は無反応のまま目がどんどん死んでいくのにも笑う 笑えないよ
李世民さんだけ魏徴の発言に満足げで周囲を置いてきぼりでふたりの世界を作ってるし…
しかし李世民にも果敢に意見して一見性格悪そうに見える魏徴も実は頬には汗が伝っている、という演出にはちょっと感動してしまった

このドラマの李世民さんが臣下に怒るシーンどこか女王様感が漂ってて好きなんだけど、李世民さんがクールすぎて性格悪いようにも見える
怒ってるときの李世民さんが女王様というのは間違ってないと思うけどもっと健康的なSっぽさであってほしい
张建亚は男女、男男を描くのが巧い代わりに人物をやたらひねくれ気味に描く傾向があるので、これが自分の許容範囲を超えてきたらどうしよう…という不安が徐々に積もってきています
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治15話

このドラマの裴寂はしたたかで老獪だけど根底に李淵への忠誠心があるのが切ない
史実の裴寂は武徳七年(李淵と李世民の対立が明確になった年というのが察し)に辞職を願い出るも李淵に泣いて引き止められているので史実では李淵からの方が矢印強いと思うけど
老臣たちとの酒席に李世民さんを招いた李淵パパが「もし私が上皇になってもこのような良き日が続くか?」と尋ね、それに李世民が力強く「陛下と老臣たちの良き日は…必ず続かせます!」と返し、李淵が満足げに何も言わずに退席して一同が呆気に取られるシーンが良かったです

即位前夜の李世民と房玄齢の二人きりの会話シーン、即位前夜の李世民と二人きりでしみじみと語らえるのは房玄齢だけなので、これは「わかってる」人間の演出
長孫無忌偏重ドラマなのでもしこの場面で玄齢のポジションが無忌だったら激萎えしてたと思います それほど譲れない部分なので
でも房玄齢が頑なに魏徴の話題に乗らないのはだんだんげんなりしてきた
李世民を取られたくない嫉妬心から嫌がっているのか、東宮府の人間だから信用してないのか、同門時代からそりが合わなかったのか何なんだろう

李世民と長孫氏が寝室で即位前夜を過ごす場面で、李世民さんが話してる途中でごく自然に長孫氏の膝を枕にしだして度肝抜かれました 可愛すぎ
李世民の政治家としての「男らしい」姿も一人の人間としてPTSDに苦しむ姿も夫として愛妻に自ずから甘える姿も全部自然に描いてるのがすごい
张建亚のこの表現力まじめに表彰ものだと思うし崇められてほしい
しかしそんな李世民さんも房玄齢や長孫氏に新たな皇太子の話を振られると不自然なほど頑なに心を閉ざすので先行き不安です
冒頭の宴席退場は格好良く決めた李淵だけど即位式はボイコットする気だったり魏徴が河北で軟禁されたりしたまま次回即位式です
見所は上に書いてること全部です
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鑑賞贞观之治

映画の話

映画オールタイムベスト40
https://www.neverendingchartrendering.or...
上4段はほぼ固定、下2段は気分で流動って感じですがスクリームをシリーズから2本選ぶくらいには好き
(5をまだ見てないうちに6のDVD予約がamazonで始まってて焦る)
おすすめの映画あれば教えてください

(追記)
 alt機能代わりに全タイトル書き出しておきます🎥
1.「羊たちの沈黙」(1990)
2.「8 1/2」(1963)
3.「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(1964)
4.「霧につつまれたハリネズミ」(1975)
5.「ふしぎの国のアリス」(1951)
6.「スクリーム」(1996)
7.「コックと泥棒、その妻と愛人」(1989)
8.「狩人の夜」(1995)
9.「パルプ・フィクション」(1994)
10.「CHICAGO」(2002)
11.「ファウスト」(1994)
12.「ハードキャンディ」(2005)
13.「アメリカン・サイコ」(2000)
14.「地獄の黙示録」(1979)
15.「ラストエンペラー」(1987)
16.「ホテル・エルロワイヤル」(2018)
17.「ロッキー・ホラー・ショー」(1975)
18.「12人の怒れる男」(1957)
19.「ノーカントリー」(2007)
20.「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
21.「ゴッドファーザー」(1972)
22.「アメリカン・ビューティー」(1999)
23.「黄色いロールス・ロイス」(1964)
24.「おしゃれキャット」(1970)
25.「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993)
26.「イット・フォローズ」(2014)
27.「シャイニング」(1980)
28.「アス」(2019)
29.「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」(2019)
30.「透明人間」(2020)
31.「アイズ ワイド シャット」(1999)
32.「ヘレディタリー/継承」(2018)
33.「聖なる鹿殺し」(2017)
34.「情婦」(1957)
35.「サイコ」(1960)
36.「何がジェーンに起こったか」(1962)
37.「ラ・ラ・ランド」(2016)
38.「ムーンライズ・キングダム」(2012)
39.「パラサイト 半地下の家族」(2019)
40.「スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション」(2011)
41.「ファントム・オブ・パラダイス」(1974)
42.「羊たちの沈没」(1994)
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鑑賞

ドラマ贞观之治14話

貝州で李志安と李思行を捕まえていた役人は趙徳言らしい。趙徳言!?
趙徳言については『新唐書』突厥伝に「突厥の風俗はもともと質素なものであったが、頡利可汗は中国人の趙徳言を得ると、その才能を高く買い国政を委ねた。趙徳言はしだいに国政を左右するようになった。また胡人(ソグド人などの西域人)にも国政を任せ、宗族の者を遠ざけて用いなかった。軍を動員して中国の辺境に侵入するとなると、下のものは困苦に耐えらなくなった。胡人は性質が貪欲で、言動は無定見で信用ならぬことがあり、命令はいつもころころと変わっていた。大飢饉が起き税も厳しく重く、諸部族は次第にふたごころを持つようになった」、『資治通鑑』192に「頡利可汗に重用されて威福を独占し、それまでの淳厚な風俗や簡略な政令を変更し政令を煩苛にした。このため突厥の国人は不満を抱くようになった」の記述があり、唐の東突厥平定の前章としての頡利可汗の失政に関係する人物なのですが、まさかこんなところに登場させてくるとは
あと趙徳言が李志安・李思行を拘束していることを密奏して魏徴に伝えたのが馬周であることも判明しました
情報というか伏線が多い…
でもこのあと馬周が貝州から長安まで逃れて常何の食客になるところからやってくれるのかもと期待が膨らむ
史実では武徳末に益州にいたはずの竇軌、武徳年間に汴州にいたはずの馬周も貝州にいる改変はちょっと気になるけど
全員貝州に集結しすぎ

後半はPTSDを克服する李世民さんのエピソード
玄武門の変ののちも悪夢にうなされ飛び起きる李世民さんとそれを隣で甲斐甲斐しくお世話する長孫氏
牀に寝たまま長孫氏の胸に抱き込まれにいく李世民さんが切なすぎる
2005年製作の中華ドラマでここまで明確にPTSDを描写したドラマあるんですね
夜眠れずに庭に出て後宮に戻ると仏僧と二人で読経する長孫氏がおり、それを背後から見つめながら自分も手を合わせる李世民さんが良かった
のちの李世民さんの仏教信仰ともリンクするであろうあまりにも巧みな脚本 こんなシーンどうやったら思いつくんだ…
秦叔宝と尉遅敬徳が李世民の不安を取り除くために李世民にも言わず門番をやってるのも良かった
脚本的にここで門神ネタを消化するのも巧みすぎる どうやったら思いつくんだ…(n度目)

李淵が玄武門の変以降心身も衰え退位も考えはじめるなか起死回生の一手を打ちたい張婕妤の暗躍もはじまりました
張婕妤が自分は息子がいないから皇后に立ててもらえないのかと李淵に泣きつくんだけど、李元方の生母張氏を張婕妤にしなかった脚本に信頼しかない
張婕妤が長孫安業(長孫晟の第三子で長孫無忌・長孫氏の異母兄。酒を好む無頼で、長孫晟の死後長孫兄妹と晟の妻高氏を家から追い出し、そのため三人は高氏の兄の高士廉を頼った)に接触するという予想外の展開になり、李淵が安業を右監門から右監門将軍に昇進させ、李世民がこれを長孫氏に相談したところで終了
玄武門の変という山場のあともまったく中弛みする様子を見せないドラマ、頼もしい

個人的見所
李世民さんがトラウマを克服して立ち直るシーン
今更だけどこのドラマの長孫氏いいキャラすぎる。このドラマの李世民長孫氏永遠に推せます
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治13話

魏徴と李世民が皮肉たっぷりに丁々発止のやりとりしていてバチバチだ…と思ったらサラッと魏徴を太子詹事主簿と河北の勅使に抜擢してて魏徴もエ…で旧秦王府人士もエ!? 私もエ!?
有名な「汝はなぜ兄弟の間を引き裂いたのか」「皇太子が私の献策を受け入れていれば今日の禍はなかったでしょう」のやりとり(魏徴伝)もなかった(魏徴がそれっぽい台詞を言ってはいたが)
その場で河北への使者として魏徴、李桐客(副使)、李五くん(護衛)を出発させた直後に一番キレまくる長孫無忌
このドラマの長孫無忌は単なる嫌な人間というより真剣に李世民のことを思って熱くなるタイプの男っぽい
李世民さんが先を見据えてかつての対立を「徹底した和解」によって乗り越えようとしているのに対し、旧秦王府メンツがいまだ旧東宮府陣営にわだかまりを抱えている微妙な齟齬が明確に

後半は河北にて李世民からの信頼に応えるべく堅実に任務を果たそうとする魏徴と李桐客と李五くんを見られて楽しかったです
地方の役人たち(この人たちも旧東宮府の人間らしい)が旧東宮府の李志安、旧斉王府の李思行を捕まえていて、魏徴が河北に派遣されたのは皇太子(李世民)による旧東宮府の人間を誘き寄せて一網打尽にする策だと誤解して謀略を巡らせるなか涼しい顔して上手をいく魏徴
このとき魏徴が出す宴席に呼んでほしい人物(全員逃亡中の旧東宮府関係者)のリストに竇軌の名前があるんだけど竇軌はふつうに李世民派だろ(参考
唐臨の名前が上がってたのは納得だし今後出演してほしい。李道宗と韋挺に「大夫もまた班を乱しております」という唐臨が見たい
政務に励む李五くんと魏徴が仲良くなってるのも良かった 可愛い

個人的見所
李世民さんがちゃんと長孫無忌にお説教したのに無忌が魏徴の家まで河北に行くのに使う馬車を届けた際に「これは貴方に賜与されたものではない。あくまでお貸しするだけですので」って笑顔で言ってたところ。笑った。やっぱりちょっと嫌な人間なのでは…
妻の裴氏に「それは皇太子のご意向?」と尋ねられて「長孫無忌の意思だろう」と見抜いている魏徴も良かった
张建亚はまじめに三角関係(というか李世民総愛され)を描く天才だと思う
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治12話

冒頭で常何が有能に描かれていて嬉しい。今後馬周が登場するときに活躍する未来が見えました
このドラマ玄武門の変の騒乱部分はばっさり省略してていさぎよい
異変に気づいた李建成と李元吉の前に李世民が現れて両者睨み合いになり、弓を引こうとする李元吉を見て李世民さんが一瞬諦めたような顔をして弓を引いたところで場面が変わり、長孫無忌に支えられながら太極殿に向かう李淵の姿が映る
李世民さんが泣いて土下座してるのに李淵がそれを見ようともせず、すでに亡き建成と元吉に対して「私が見殺しにしてしまった」と悲嘆するのがあまりに悲しい
これ以上何を望むのかと問う李淵に、私は天下の兵を支配しますと覚悟のこもった瞳で返す李世民さんも悲しくて、李淵の胸で慟哭する李世民さんも見たかったけどこのドラマオリジナルシーンも好きです

玄武門の変ののちの夜、就寝中の李世民さんがうなされて目を覚まし、汗に濡れた顔をくしゃくしゃにして泣き出すシーンがもうヤバッて感じでした 悲しすぎて
こんなにも明確にPTSDの描写が出てくるとは思ってなくてびっくりした
ぼんやりしたまま長孫氏に汗と涙を拭ってもらう李世民さんもつらかった、李世民のPTSDだけじゃなくそれをケアする長孫氏まで描いてるのもしっかりしてる

李世民の立太子シーンで例の双童髻李世民さん(>>156)が見られたんですが、ここまでの精神的ダメージの蓄積により特にはしゃげるわけもなく…
李世民立太子のあとはガス抜きなのかコミカルなシーンも多々あり、特に長安にとどまって妻と酒造りしてる魏徴が卑屈さ全開になってて良かったです
李世民が魏徴に贈った《賜魏徴詩》に「醽醁」「翠涛」という酒が登場し、魏徴がこの二つの酒を醸造していたという話があるんですが、まさかこの話をドラマ内で活かしてくるとは思わなかったので感心
あと魏徴が奥さんに同門の房玄齢を頼ってはと言われて「房玄齢を頼るなら死んだほうがましだ」とまで言い切っててよっぽど仲悪い設定らしい
薛萬徹が李世民に帰順してくれたのは嬉しいけど人間性が軽く描かれてるのは残念だった
李靖がやたらフッ軽なのは笑った

何やかんやあって魏徴が李世民さんの前に引き出されたんですが、李世民さんが激昂するでもなく秦王府の人士と魏徴を笑いものにしてる雰囲気でこれ何??
やりとりの最中で魏徴の真っ当な返答を聞いてふーむ…ってなってる李世民さん可愛いけどみんな態度悪い 中途半端なところで終わったので続きが気になる
ドラマ贞观之治ってこういう「登場人物性格悪…」ってなるオリジナルシーンが地味に多く挿入されるので困る

個人的見所
李元吉が李建成に献上した女楽(琵琶の引き手)さんがいいキャラしてて好き
このドラマ決して出番の多くはない脇役にも味があっていい
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治、おそらく12話で玄武門の変が終わると思うと寂しい
ドラマ視聴して李世民さんの秦王時代も皇帝時代と同等かそれ以上に好きなことを再認識した
私の中で李世民の秦王時代は房玄齢、尉遅敬徳、李世勣ら秦王府人士と李世民の青春の期間だと位置付けられている

鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治11話

李世民「お前たちの首と対面かと思っていた」→房玄齢「事前に冗談とは、どうやら大丈夫のようですな」のやりとり良すぎる
史実だと決起をためらう李世民が占いしていたところに張公謹が乱入し、亀の甲羅を投げ棄てて李世民を叱咤し決起を決断させるんですが(張公謹伝)、このドラマではほぼ決起が確定したのに突然誰かが占いをしようと言い出し、みんなで占いをはじめたところ長孫無忌が甲羅を蹴り上げてみんなを叱咤するという流れになっててエ??ってなりました
取ってつけたようなシーンに困惑
でも覚悟を決めて「どこから手をつけるべきか?」という李世民に「殿下のお勇気からですわ!」といきなり部屋の影から長孫氏が喝を入れる改変は大好きです
ただオリジナルのシーン入れるなら長孫氏が出ずから臣下に甲冑を渡して叱咤したエピソード(文徳皇后長孫氏伝)も映像化してほしかった

李世民さんの沐浴シーンでちょっと心がざわついたんですが(馬躍李世民性的消費クラブ)、お風呂上がりに李世民さんの手が震えていて長孫氏が銅鏡を持つのを支えてやるのにヒッ…てなった
台詞がなくても手の動きや視線で登場人物の感情や心境を表現するのが巧みすぎるドラマ
しかもマチズモ強めな李世民さんの弱さや脆さも丁寧に描くあたりが信頼できる
玄武門の変の朝の描写、鎖子甲(鎖帷子)を身につけて礼服を着込む李世民と甲冑を着込む臣下、夜明けの薄暗さと静謐のなかで口に木製の棒を噛む将士、蹄に麻布を巻かれる馬、鳩の鳴き真似を使って玄武門の外と内とで呼応する秦王府の人間たち… この「静」のシーンあまりに良すぎる

玄武門の変のおおまかな時系列(『資治通鑑』に拠る)は
・傅奕が李淵へ「秦王が天下を取る予兆があった」と密奏
→李淵がその書状を李世民へ見せるも、李世民は建成と元吉が李淵の妃嬪と密通していることを密奏。「臣は兄弟に対して毛ほども背いていないのに、今臣を殺せば君親の仲が永遠に行き違うことになる」と李淵に告げる
→李淵が「翌日に兄弟を鞫訊する、お前は早くに参内しておくよう」と言う
→翌朝李世民が参内し玄武門に伏兵を置く。張婕妤がこれを知り李建成、李元吉に告げる。元吉は病気と称して参内せず兵を起こすよう勧めるが、建成は共に入参し事情を尋ねるよう玄武門へ向かう(この頃に李淵が裴寂、蕭禹、陳叔達らを呼び出しこの事案について話し合いをする)
→建成、元吉が臨湖殿まで来て異変に気付き東宮府まで馬首を返すが、世民が建成を射殺し、尉遅敬徳が元吉を討ち取る
→李淵がまさに海池へ舟を浮かべようとしていたとき、世民が武装し槊を持ったままの敬徳を宿衞へ派遣する
→敬徳「太子と斉王が乱を起こし、秦王がこれを誅しました。陛下が驚動するのを恐れ、秦王が臣を宿衞へ派遣したのです」
→蕭禹と陳叔達が李淵に世民を太子にし国事を委ねるよう献策する
→敬徳が手敕を降ろして諸軍を世民の指揮下へ入れるよう請い、李淵が従う。宇文士及が東上閤門から敕を宣伝し、ようやく騒動が収まる。
→李淵が裴矩を東宮へ派遣して、諸将卒を諭し解散させる
→李淵が世民を呼び出し慰撫する
李淵「近頃は私も、讒言に惑わされることもあったのだ」
→世民が跪き李淵の胸にもたれ、長い間慟哭する
なんですが、このドラマでは建成元吉を李世民が討つ前に李淵に「臣は兄弟に対して気ほども背いていない」と告げ船の上に誘導して避難(孤立)させ、そこで自ら兄弟を討つことを李淵に示唆し、李淵もすべてを理解して諦める…という流れに改変されていました
この流れも悪くはないけどこのドラマでまっすぐ玄武門の変を描いてほしかった気持ちもある
でもラストの何も事情を知らないまま李淵に琵琶を届けに来た怯える侍臣に「気をつけよ、陛下はいま御機嫌が悪い」とだけ告げる李世民には正直唸った
本心では史実を忠実に映像化してほしいけど改変したところはしたところでいい味してるから悩ましいドラマ

見所
終盤のシーン全部 特にすべてを察した李淵がもうわかったと言わんばかりに袖を振るシーン
ここ素晴らしかった 見苦しくなさというか
李淵の護衛役(名目上)の無忌に「無忌、事は重大だ。しくじるなよ」とだけ言って船を降りていく李世民さんもよかった
改変多いけど玄武門の変を丁寧に撮ろうという気概は感じるので感謝しかない
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治10話

過去の投稿で8話までしか見てないと書いてたけど10話目までは見てました(どうでもいい訂正)
「李世民をこの手で殺害する」と語る李元吉に「私は皇太子の座を守るためにやっているのに、お前はなぜそこまで秦王を恨むんだ?」とはじめて尋ねる李建成
李元吉の答えは「兄上と秦王にはわからないのだ。俺は醜いせいで親に愛されなかった。乳母がいなければ今この世にはいなかった。秦王は俺を嫌い、父も俺を嫌う。しかし秦王は父に愛されている」(意訳)
史実では李淵は李元吉のこと贔屓してると思うけど、李元吉が産まれた際に竇氏が容貌を嫌って取り上げず、侍媼の陳善意が私的に乳を与えて育てたというのも史実だし
(成長すると常に奴隷や婦妾たちに武装させて戦争ごっこをやって多くの死傷者を出し、のちに元吉も負傷したので陳善意がこれを止めさせると、元吉は怒って壮士に命じ陳善意をひしぎ殺させ、慈訓夫人の私諡を贈った、というところまで史実(巣王元吉伝))
李建成が李元吉の話を聞いて「私は知らなかった。本当に何も知らなかった」と言ったのも悲しくてよかった
三兄弟の「特権者」と「持たざる者」の立体的な関係性が付加されて物語がすごく深まった

いよいよ火急の危機に陥った李世民が一縷の望みを繋ぎ李靖の家を訪ねるシーンこの回でした
ここ好き 家にペットの虎と紅拂女(張出塵)がいるのも好き
李靖はあくまで中立の立場を貫くといって譲らないので李世民さんは早々に帰ってて可愛い 体感2分
そのあと李靖が「秦王が無事であればいいのだが」とこぼして紅拂女に「中立だと仰ったのに?」と言われてるのも可愛い
史実でもそうだけど李靖も李世勣も李世民に兵を起こすことについて相談されたのを李淵に報告しなかった時点で中立ではないと思います

いよいよ次の回で玄武門の変が起こってしまう
ラストで「ずっと願っていました、このような惨事から逃れられることを」と語る長孫氏に「私もずっとそう思っていた。だが今はもう何も考えたくはない」と返す李世民 静かに涙を拭う長孫氏 切なすぎる
n回目を承知でいうけどこのドラマ人間を描くのがほんとうに巧い
自分が2年前にここで視聴をやめて李靖x李世民創作にいそしんだ理由がわかりました、初見だったらこのしんどさに一旦逃避しても全然不思議じゃない(それでも2年間視聴放置してたのはどうかと思うけど)

個人的見所
李元吉のシーンが特に好きだけど秀逸なシーンが多すぎるぶんつらい回だった
李世民のセクシーさが抑えられてるとこのドラマのしんどさをストレートに味わってしまう。常時セクシーで水割りしてほしい
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治9話
長いし性的な単語やミームの頻出があるし全体的に上品ではありません

頡利と突利を不和に追い込むために笑顔で突利にボディタッチしたり「頡利も俺たちの親しい関係を知っている、なあ突利、俺の兄弟分よ」とえっちなおねえさんモードをなるのを頡利に見せつける李世民さんエロくて整う
頡利と突利はもう少し大物に描いてほしかったけど李世民にイライラする頡利はエロい
実際に史料にあるシーンだけどここで不快になる頡利の感情の読み解き方の正解がチンイラだとは思わなかった

このドラマは李建成より李元吉をフォーカスしがちだけど、兄弟の宴席の直前に野望に燃える李元吉が宴席で李建成の酒にも毒を仕込ませてるのにはオッ…
ドン引きの楊氏のシーンが挟まることで楊氏が李世民さんに助け舟を出すシーンの説得力が高まっててよかった
宴席のシーンはとにかく李世民さんのセクシーが爆発しててすごかったです
李世民さんが楊氏のこと色っぽい目で見つめたり上機嫌で「妹妹(楊氏)が柘枝の舞いを舞うならもう一杯飲もう」とか言ってて可愛い
楊氏の機転により異変を察した李世民さんが混ぜ物をされていると分かっていながら毒杯を口にして倒れ、慌てて自分を抱き抱える李道宗の手に爪を立てて外に出るよう促すというファインプレーを見せていて格好良さもカンスト
薄暗い宴席、毒杯に倒れる李世民と駆け寄る李道宗、それらに一切動じることなく舞いを舞う大勢の美女と静かに酒を煽る李建成、このシーンのすべてが美しくて良すぎる…
あとここで初お目見えした李道宗が李世民さんを面倒見られるだけの聡明さと機転を備えているのがわかって歓喜
毒を盛られた李世民を担いで運ぶの史実では李神通の役目だったけどナイス改編
楊氏にちょっとメロメロになって脇が甘くなってるのを「あまり飲みすぎると美女の舞いが見られなくなりますよ」と制する李道宗、理想ど真ん中すぎる

李世民さんが秦王府の面子と長孫氏から介抱されてるシーンは画がほぼr18でした
目が覚めた後に長孫無忌に舌を見せてくださいと言われておずおずと舌を出す李世民さんで叫んだ
吐瀉物と嘔吐シーンだけじゃなく爛れた舌まで見せてもらえて あざす
このときの画角が完全に「VR俺とラブラブキスハメしてくれる李世民さん」だった 宇宙一エロい画角だった

好きなシーン
李世民の証言の再現で張國丈の家の家奴から暴行を受ける杜如晦と、張婕妤の誣告の再現で張國丈の家の家奴を痛めつける杜如晦とふたパターンの再現シーンが流れるところ
張婕妤の嘘だと分かっていても極悪人杜如晦の嘘回想シーンで笑った 極悪杜如晦の笑顔かわい〜
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治8話

ただでさえ史実の楊文幹の乱が複雑なのに脚本で改変されてる部分があってわりと困惑しました
史実だと李元吉と結託したことが露呈して李淵に処刑された宇文穎がこのドラマでは楊文幹の乱の鎮圧の最中に戦死したことになっていて、これを李淵・李建成・李元吉は李世民が口封じで殺したと解釈していてややこしい
ここで李建成に促されて義務的に元吉から討伐を労られた李世民がちょっと黙ったあとに「ねぎらいは不要だ。恨まれるのもごめんだが」と返すのがエグい
李世民さんが兄弟に対して本音というか心の脆い部分を見せたのこれがはじめだし、兄弟がそれを受け止めたのもはじめてな気がする

李建成と裴寂が結託したり李淵が李建成に軽く失望して李世民に「草原十八部族」(突厥)の討伐を任命したり李世民のいないところで襄陽への遷都が決まったり裴寂が張國丈(張婕妤の父)を重用し始めたりいろいろあったけど裴寂が腹黒キャラにされてるの可哀想
史実の裴寂は積極的に李世民を陥れてたわけでもないのに
遷都を提議することで李淵の信頼を取り戻そうとする李建成とそれを受け入れられない魏徴というのは良かったです
魏徴が李建成に「孔子の説では…」と意見しようとしたら「言いたいことはわかる」と遮られて最終的に「良心はないのですか?」って火の玉ストレートでブチ切れてるの、李密陣営にいたときに鄭頲から献策を退けられて「これは奇謀深策だぞ!」と激怒した魏徴を感じました
そして征討から帰ってきて甲冑姿のまま朝廷に乗り込んで涙ながらに自分は軍事を任されている身で陛下の憂慮を分かち合えないなんて立つ瀬がない!命を懸けても草原十八部族から国都を守る!と宣言する李世民さん
感情が昂って泣いてしまう李世民さん、涙の理由も泣き顔も邪な心が吹き飛ぶくらい美しかった ずっと見てたい…(邪な心がなくても奇行はする)
あと李世民が孔子の説を引き合いに出したところで目を閉じて頷く魏徴のカットの挿入で笑った。李世民の発言で整う魏徴人生ではじめて見た
李淵がすかさず駆け寄って李世民を抱きしめて額と額がくっつく寸前まで顔寄せ合ってるシーンと二人おてて繋いだまま門を出て李世民のことを見送るシーンが良かったですがこの状態から最悪の形で壊れる父子関係があるんですか
李世民の発言で整ってたはずの魏徴が夜の東宮府で情緒皆無で「大勢の国民を犠牲にするより秦王を殺した方がいい」とか言い出して終わったので次回も胃が痛そう

見所
上に書いた李世民と兄弟のやりとり、李世民の大演説と李淵とのやりとり全部
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治を一日一話のペースで視聴してるけど私の胃が耐えられるスピードじゃない気がしてきた
このドラマ劇薬すぎるので本来の服用方法としては一週間に一話でいい
毎回続きが楽しみでやきもきして過ごしたくないから結局毎日見ているけど
胃がズタズタなので早く贞观之治李靖x李世民に萌えたい…

鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治7話

李元吉に誣告されたことを悟った李世民さんが内心で相当にショックを受けてるの可哀想すぎた
でも「建成一人だったが元吉まで…」とか言い出して エッ?
建成に敵視されてたの気付いてたけど李元吉の敵意はわからなかったんだ。それは馬について講釈垂れるわ
たまたま持ってた馬用の鞭で屏風をピシ!ピシ!と叩き出してたけど贞观之治李世民さんが怒りとかやるせなさが頂点に達するとものを叩きつけたりする仕草(第一話参照)好き

李淵が裴寂に「あいつは長年出征ばかりで昔のような子ではなくなってしまった(大意)」とこぼすシーンがきっちり映像化されててあまりに辛かったです
史料で読んでるときはあ〜あかわいそくらいだったけど(クソ観客)映像でみるとしんどすぎる
李淵と李元吉が妃嬪侍らせてどんちゃん騒ぎする中でお酒飲めないから素面でクッキーみたいなのちびちび食べてる李世民さんも悲しかった
「母(すでに亡き竇氏)には見せられない」と漏らしてしまい、李淵に出ていけと一喝されて(盃まで投げつけられて)何も言えずに一礼して去って行く李世民さんで胃ちぎれた
李世民さんの可哀想さの上限がないドラマすぎるけどほぼ史実に忠実に作られてる作品なのでなんの救いもない

そういえば楊文幹の乱で席辯が出てきたけどこれドラマオリジナル設定ですよね?
太宗期の終わりくらいに収賄で処刑された人物がなんでここで登場したんだろう
ドラマぐんぐん展開が進んでいくけどまだ624年くらいなので玄武門の変まで2年もあるのかと思うと長い…
李世民さんってこんな家族関係で粛清寸前の状況まで陥るのによく精神を病まなかったと思う。ストレスの代償が若白髪だったのかもしれないけどタフすぎる

個人的見所
楊文幹の叛乱の知らせを受けたあとの李淵の流れるような対応
李淵は李世民がいない場だと理性的で達観した言動なのは一貫してる、李世民への当たりが強すぎるから李世民さんが精神的に追い込まれてるだけで
それが一番良くないのでは
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治6話

文学館で「議論はしているか?何を議論する?」と尋ねる李淵に、房玄齢が李世民を遮って「議論はまだこれからです。今は古典を学んでいます」と返すのが良かった
たぶん李世民さんは竇建徳の処刑について論じていましたとか言いたかったんだろうけど
この助け舟の出し方は肉刑を廃止したい李世民に再度議論を提案したり李淵の陵墓について悩む李世民に光武帝の陵墓に倣うべきと提案した有能腹心右腕房玄齢
李承乾と李泰が出てきておじいちゃんやってる李淵見られたのも嬉しいけどこの子たちも成長したら兄弟で揉めると思うと涙を禁じ得ません

李建成が長林兵(東宮府の長林門の衛兵という名目で集められた長安の悪少年たち)を集めたり李元吉と結託して李世民暗殺計画を立てたり流れるように悪人になってしまって悲しい
オリジナル要素あっていいのでもう少し心理面掘り下げて欲しかった
李建成の近くにいる武人薛萬徹だったらいいなと思ってたら当たりっぽくて、こういう登場人物のチョイスの細かさはたまらないんだけど…
あと李世民さんを足パカしてたの李道宗だと思ってたけど今回「李五」って名前呼ばれてた。もし李瓌(李安の五男で李孝恭(三男)の弟)だったら人選相当渋いな…

李世民さんが李建成にもらった暴れ馬の胡馬を乗りこなそうとして再三振り落とされ、宇文士及に「彼はこれで私を殺そうと思っている!生死は天命によるもので、なぜ傷つくというのか!」と愚痴り、この発言を歪曲して讒言されドチャクソに李淵の不興を買うという地獄のような話(資治通鑑191)が出ましたが李建成が長安でお留守番してて胡馬を差し出すのが李元吉に改変されてたのがちょっと残念でした
ここは正直馬に振り落とされてヒーヒー言ってる李世民さんを李建成本人に眺めててほしかった
でも胡馬を乗りこなそうとする李世民さんの画角が「VRそういうプレイで俺を鞭打ってくれる李世民さん」だったのでそこははしゃぎました。あざす
暴れ馬を「調教してやる!」って言いながら鞭打つ李世民さんに沸き立つ周囲に笑ったけど誰か止めろよ
李元吉は李世民さんを殺すことしか考えてないのに李元吉相手に名馬には三つの条件が〜とか講釈垂れる李世民さん不憫可愛い
次回李淵のブチギレシーンからはじまると思うと胃が死ぬ

好きなシーン
・服の袖で額の汗を拭う長孫無忌
いままでで一番笑ったので あんな豪快に顔をゴシ…って拭く長孫無忌今まで私の中にいなかったし今後もこのドラマでしか見ないと思う
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治5話

斉王府も東宮府も李世民を警戒するさなかに李元吉が「秦王は竇建徳と親しくしている。洛陽から護送する際に自分の外套を羽織らせた」と李建成に垂れ込んだ上、李世民が自分のマントを外して檻の中の竇建徳に差し出すシーンが挿入されて竇建徳x李世民待ったなし!
あとこの場面で李元吉が天策上将の官号について「三公の上って何だ?」と言ったので笑った。確かに三公の上って何だ?
身重の長孫氏をさりげなく気遣う李世民さんが最高なんですけどこの回の字幕から一人称俺だったのがわしになってるのが可愛い
お召し替えで故服着たのも最高。しかも翻領(釦を止めずに丸襟を折り返す着方)だった
このドラマ圓領袍の裾が長いけどもうちょっと短くていい気がする。革靴見えて欲しい

李世民さんが竇建徳の処刑にずっと不服で李淵にも反論したり学士たちにも竇建徳の処刑について尋ねたり政治的な立ち回りを放棄してるのが今後どういう展開に繋がるのか今から怖い。史実の展開知ってても怖いものは怖い
李世民さんが竇建徳の処刑に思いを馳せている間に野心に燃える李元吉、それに動揺する楊氏、李世民への信頼と警戒の間で揺れる李建成、李世民に多少惹かれながら李建成から重用を受ける身分なのでそれを押し殺す魏徴、欲と俗っ気を隠さず李世民に要求を押し付ける(そして断られる)張婕妤といろんな人の思惑が動いたり絡み始めたりして物語がどんどん重層的になってきている
楽しいけど胃が死ぬ

個人的見所
李淵、李建成、李世民で三人足崩して(片膝立てて片方はあぐらの座り方)話し合ってるシーン
三人とも背格好が似てて(背の順が李建成>李世民>李淵なのも良すぎる)愛嬌ある顔立ちも似てるのでほんとうに家族感ある
すでにだいぶ脆そうだけど三人とも賢明なのにここから一番最悪な形でぶっ壊れる家族関係があるんですか?胃が死ぬ
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治4話

華美な洛陽宮を見て煬帝が長安に帰らないわけだとか言い合う秦王府の人間たち可愛い〜
李世民さんが「ここに比べたら長安は田舎屋敷だな」みたいなこと言ってて笑った 新興住宅だろ
このドラマは房玄齢と長孫無忌がコンビっぽくて二人とも李世民さんのこと大好きなのをまったく隠さないけど、王遠知に李世民が将来天子になると言われて二人とも笑顔を隠しきれないのが最高だった

房玄齢曰くこのドラマでは淮河より北の王朝は“騎馬の民”として見られているらしいです
かつ楊廣が王羲之の書を重んじなかったことから「南朝人は王羲之の書を重んじる。我々が王羲之の書を丁重に扱えば“騎馬の民”とは言わなくなるだろう」と語る李世民さん…
これには李世民さんが王羲之の書に偏執してる理由にピンときていなかった玄齢と無忌もニコニコ
楊廣が王羲之の書を重んじなかったというのは実際に史料にある話なので芸が細かい
史実では李淵も竇氏も書を善くし、李淵は欧陽詢とも交友があったので李世民さんが幼い頃から南朝の書に親しむ土壌はあったと思う…んだけど、実際に南朝文化尊重をアピールするために李世民が王羲之の書を蒐集したとする見方もあるのでこのドラマの設定も全然ありです

洛陽から凱旋して長安城で宴会するシーンで李建成たちの席にいる魏徴を見つめる李世民さん、これまででも屈指の色っぽさで震えました
熱に浮かされたような瞳といい照明の当て方といいあれ何?傾国すぎるだろ
しかも自分から「兄上、そちらは…」って魏徴に話しかけにいったのに東宮府のモブ(王珪かも)に「皇太子とお呼びなさい」と言われてムッとして「皇太子殿下へ!」って一献捧げて自分の席に帰っていった。李世民さんの片想いは続く
李元吉の妻陽氏に視線を送られた李世民がちょっと微笑み返したり(この笑顔も最高なので死んだ)尉遅敬徳vs李元吉の親善試合で敬徳が完勝して東宮府も斉王府も李世民への警戒心を募らせたり(李世民何一つ悪いことしてないしなんなら試合するのも止めたのに…)着々と物語が動いてるので萌えと緊張で二重に興奮します

好きなシーン
房玄齢が「武より文の世になろうとしているのに秦王府にはその準備が足りていない」って言ったときあんまり意味がわかってなくて「ン?」って言う李世民さん 少女?可愛すぎ
このドラマの玄齢と無忌は李世民に天子になってもらいたいので影でいろいろ考えてるのに李世民本人はいまいち分かってないのが可愛い
あと宴席で杜如晦にやった「その話はここでするな」のジェスチャー(目を瞑って手を上げて制する)
李世民さんの可愛いシーンが多すぎてドラマ感想の文章がどんどん冗長になっていく
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治3話

房玄齢と魏徴は同門だけど親しくない設定が判明
手堅い作りのドラマなのに王通の下で学んでいたという説(信憑性ほぼなし)を採用するとは意外でした
でも玄齢は李世民さんに魏徴を登用してほしくない様子…この描写に一億点加点です
あと2話で李世民さんを足パカしてた人モブじゃなくて李道宗かもしれない。李世民に数年付き従っていて兵法書を読んでいて李世民のお気に入りっぽいという新情報が追加されたので、となると李道宗か李道玄の可能性が高いと思う
あと魏徴の献策をさりげなく推してくれた文官が張玄素であることも判明。虞世南かと思ってた。今後出るよね?虞世南
竇建徳x李世民の描写も良かったけど李世民さん下戸だから竇建徳にだけお酒飲ませてるの可愛い
さりげに李世勣もちょこちょこ出てるしこのドラマの尉遅敬徳x李世民は仲良い友達感あって新鮮
李世民周辺の人間関係を見せつつ李淵が李世民を立太子するかで悩んでいることや李建成が軍功を立てる李世民・李元吉に気を揉み始め、それを魏徴が後押しする様子も挟んできてとにかくドラマが上手い
开创盛世と同じくこのドラマでも張婕妤は裴寂が晋陽宮で李淵にあてがった宮女という設定になってるけど実際にそういう史料あるんだろうか?説唐とか隋唐演義とか後世の創作物でそうなってるのかな

3話の好きシーン
機嫌がいいときの李世民さん、李道宗(仮)も李元吉もグーで胸のあたり小突いてて可愛すぎる。癖なの?
というか馬躍李世民の手のアクション全部可愛く見える(恋)
1話の感想で贞观之治李世民は徹底して独立不羈の人と書いたけど、「基本的に人好きで陽キャで人と楽しく仲良く過ごすのが好き」という私の考える史実李世民像の核の部分もちゃんとあるのでありがとうございますしか言えない
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治2話

李世民さんが野外でモブに足パカされる伝説のシーンがあるので2話だけ15回くらい見てます(最低の鑑賞方法)
行軍の途中に兵士たちが二人一組で足のマッサージを行うシーンがあり李世民さんもモブ兵士とそれをやるんですが、無防備に山の斜面の岩場に寝転んでモブ兵士に足をパカパカされる李世民さんがすごい
言葉を選ばないけどカットによっては「李世民さんを正常位で抱いてるときのVR」の画角すぎる

改めて鑑賞すると2話の李世民さんよく笑うから可愛いです。敬徳と一緒に笑い合うのが可愛い〜
2話は敬徳との寝室での密談も私が弓、卿が槊を執れば〜の台詞も聞けるので実質尉遅敬徳x李世民回
あと視聴何周目にして気付いたんだって感じだけど、このドラマって基本屈折してる人間が多い
李世民の側近で謀臣の長孫無忌や竇建徳陣営で自分の献策を受け入れてもらえない魏徴が屈折してるのはのちの展開としてまだわかるけど、竇建徳陣営に有能な人間はいるかな?と尋ねる李世民に杜如晦が魏徴の名前を上げたときに神妙な顔で無言になる房玄齢にはここも屈折させる!?しかも魏徴関連で!?と興奮しました
たぶんのちの草創守文問答(秦王李世民を支えてきた房玄齢と皇帝李世民を支える魏徴が一回だけバチバチに火花を散らす場面)を見越してのことなんだろうけど、李世民が魏徴に興味を持つのも房玄齢がそんな李世民にモヤモヤするのも2話の時点でやることに感動
房玄齢李世民が本命の人間なのにこの描写を見落としてたの悔しすぎます
俺でなきゃ見逃しちゃうねの逆版になってしまった

2話の見所:尉遅敬徳が下賜された函を持ち上げられない様子を見つめる李世民さん
敬徳に持ち上げられないほど中身の入った函を渡してこれやってるから可愛い
にやにやするでもなくただ可愛いだけの上目遣いで見てるのが可愛い
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鑑賞贞观之治

ドラマ贞观之治1話

何回も視聴→中断を繰り返しているドラマなので(好きすぎて途中で見続けるのがしんどくなる)第一話だけ10回くらいみてる気がするけど何度見てもいい…(恍惚)になる
数年前の感想で「皇子時代の李世民の尖ったところだけを煮詰めたような李世民さん」「英雄というよりはやや破滅的なオム・ファタルとして描かれてるのが解釈一致」「自分の考えることを理解できない人間は振り落としていいという皇子時代の李世民さんの独善性の描き方がいい」って書いてたんですけど、改めて視聴したらドラマ贞观之治の李世民は徹底して独立不羈の人なんですよね
史実の李世民にもそういう部分はあるけど、それ以上に聖母力と慈愛を示すエピソードがあるのでこのドラマほど尖っては見えない
あとこのドラマは照明の使い方がすごくドラマチックで、セットや衣装は質素だけど画面に深みがあります
そして李世民さんがやたら艶めかしくセクシーに撮られてる 皇子時代から髭のおじさん(名優の馬躍が演じてて厳格なオーラもすごい)なのに
これ民草の贔屓目とかじゃなくてtwitterの本国のフォロワーさんにこう感じるんですがと尋ねたら非常非常非常非常赞同って返されたのでガチ情報です
馬躍李世民は眉が凛々しく目は爛々としている可愛い系の顔立ちで、黙っていると厳格な雰囲気があるのに笑うと愛嬌が全面に引き出されるので民草の想像する李世民すぎて泡吹いて倒れる

1話の見所:李世民さんが階段の手すりに引っかかったマントをさりげなく引っ張って外すシーン
後ろに立ってる李元吉もマントが引っかかってるのに気づいてさりげなく外そうとしていて可愛い
真剣なシーンなのになんで撮り直さなかったんだろ
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鑑賞贞观之治

开创盛世44話(最終話)まで見ました

結局最後まで何が描きたいのかわからないドラマだった〜!
最終回で杜如晦以外の臣下(魏徴も含む)が全員小物化したのは驚きでした
唯一の砦だった杜如晦も最終回に亡くなるしこのあとの唐は大丈夫ですか?絶対だめそう
でも最後に第一話と同じ元宵節の洛陽で李世民さんと月容公主が再会するのは正直エモかったです
終わりよければ全て良しをこんな形で経験するとは…いやまったくなにも良くはないけど…
どうでもいいけどラストで元宵節の雑踏の中に二人消えていくシーンのカメラワークが羊たちの沈黙のラストと完全に一致でした

2ヶ月ちょっとかけて开创盛世見を無事見終わりましたがどうする家康も絶対完走できると思います
そもそもどう家は人物の行動原理が破綻してない時点でちゃんとしたドラマなので…(深淵を覗いてきた人間の目)
ちょっと休憩したら次はドラマ贞观之治(邦題「皇帝 李世民〜貞観の治〜」)見ます
一昨年8話目まで鑑賞して李靖李世民要素にブチ上がりして視聴が途絶えて以降ようやくの再開
ドラマ感想という体で李世民受けの話延々すると思います
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鑑賞开创盛世

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