Tag Archives: 李世民

黒髪李世民

May 27,2023 黒髪李世民

てがろぐで呟いてた黒髪ver李世民さん 李世民さん、『酉陽雑俎』巻一に〈太宗虯鬚〉とあるので癖毛だと思う あと竇氏が「生まれたときには髪が頸まで垂れ、三歳になると背丈と同じ長さになった」(『旧唐書』太穆皇后竇氏伝)らしいので遺伝で毛量多くあってほしい。平陽公主も同じ毛質 この李世民さんは即位したら魏徴や宇文士及にブラッシングされて毎日セット直されてそう…

李世民のメモ

April 18,2023

李世民さんの絵をアップするたびに中国の方から翼善冠は明代の冠だよとか中国の皇帝の装束は黄色だよとかコメントもらうんですが、実は翼善冠は李世民さん自身が作った冠で、高祖〜太宗期の皇帝の圓領袍の色は赤黄色です ということを一枚の画像にまとめておこうと思い作ったメモです この絵をtwitterにアップしたら中国の有識者の方から「李世民の時代の翼善冠は真っ黒だと思う、中国では明末期の皇帝以降翼善冠に龍の装飾を追加するのが一般的になったけど、それ以前は素朴な美意識だったはず」とリプをもらって確かに!となったのでまた変えるかもしれません 李世民さんも翼善冠について「古来からの冠と幞頭を融合させた」と言っているので、烏紗で覆われた質素な冠の方がイメージが近そう でも百度百科の翼善冠の頁には「唐代に比べると明代の翼善冠はずっと簡素化されている」と書いてあって謎(この説明の出典も謎) 幞頭も好きだけどせっかく李世民さんが制定した冠なので創作では李世民さんにいっぱい翼善冠着用させたいな ちなみに高祖〜太宗期に着用された「赭黄袍」(『新唐書』車服志)はこういう色です 左:李淵パパ(唐高祖立像) 右:李世民さん(唐太宗立像)(どちらも台北故宮博物院所蔵) 赤い… 李世民さんは黄袍のイメージが強いので、中国の人でも赭黄袍の方が創作っぽく見えるのかもしれない…

少年李世民

February 05,2023 

少年李世民さん 美少女♂に成長する前に少年と少女の中間みたいな中性時代があるといいと思います 『唐―東ユーラシアの大帝国』(中公新書,2742)| 森部豊 | Amazon 中公新書から『唐―東ユーラシアの大帝国』が出るみたいです 執筆森部豊先生は熱(あつ) /// サイトにてがろぐを設置してみました メニューのアイコンのやつです 最近はtwitterやマストドンは使わずほぼここに篭ってます。中華ドラマの感想をTL汚さずに呟けるので便利 いままで萌え語りをSNSで行ってたのを後悔してるので今後はほぼこちらに蓄積していきたいです 興味ある方は覗いてもらえると嬉しいです…

2023年賀絵李世民

January 01,2023

あけおめです 李世民さんは翼善冠を制定した皇帝なので実質うさ耳皇帝なんだよな(今生で100回くらい言ってるテンプレワード) このサイトは今年も何かしらの理由を付けて李世民さんに獣耳を生やすことに必死です 賑やかしに描いた翼善冠李世民さん 横幅400pxない絵なのに謎に頑張って仕上げました 唐代の翼善冠については具体的な造形を示す史料が見つけられていないので、この絵は定陵出土の明万暦帝の翼善冠を参考にしています 翼善冠_百度百科によれば明代の翼善冠は唐代のそれに比べて簡略化されていたらしいです。出典教えて欲しすぎる 以下去年書きそびれた2022年の総括…

2022年絵まとめ

December 25,2022

2022暫定まとめ(画像大きいのでクリックで拡大) 李世民と虞世南であるなしクイズ(元ネタ:○エストランド) 『貞観政要』慎所好第二十一などに見える李世民の漢武帝批判と、会田大輔「唐の太宗は『帝王略論』を読んだのか」(『明大アジア史論集』23号、2019)の「『貞観政要』や『魏鄭公諫録』に見える李世民の歴史談義と『帝王略論』を比較すると、李世民は貞観十年(636)頃まで『帝王略論』の影響を受けていた(注:李世民自身の知識や経験が豊富になるにつれ、影響力は次第に薄れたとされる)」という指摘をパッチワークしたまんが この二人に限らず唐初の官僚は基本漢武帝に批判的なんですが… 李世民の「武帝には徳が足りていない」は虞世南『帝王略論』の「(武帝は)功は余りあっても徳が不足している」という一節からです 虞世南の武帝評はこの前段ではかなりのベタ褒めなんですけど都合上カットしてます、許してください… 追記: この漫画○エストランドの漫才と同じで「漢武帝批判としては手垢のついたベタな切り口のみを取り上げて一方的にまくし立ててる」というニュアンスで描いてたんですが、twitterで一部の中国史ファンの人から「確かに武帝は徳が足りていない」「文帝はほぼ完全無欠の名君」と全肯定の受け取れられ方をして申し訳なかったです。 漢武帝に限らず李世民や一般的に評価の高い漢文帝であっても(というかシステム的に言行が綿密に記録される中国皇帝全般)悪いところだけ取り上げれば全員こういうネタ作れると思います。 漢の文帝も尺布之謠や鄧通の寵愛や薄昭の一件を持ち出されて後世批判されることもありますしね……

2022ハロウィン(道士房玄齢、僵尸李世民、ペキニーズ獬豸)

November 17,2022

道士房玄齢とキョンシー李世民とペキニーズ獬豸(かいち) ・獬豸って何? 李氏の祖先である皋陶(こうよう:堯舜の時代に公平な裁判をおこなったとされる伝説上の人物)が、裁決に用いた正邪を見分けることのできる聖獣。罪のある方を角で突き刺したり腹に噛み付いて食べたりする ・なんで獬豸の素体がペキニーズなの? 『説文解字』によれば「牛に似ている」、任昉『述異記』によれば「一角の羊」で結構大きいみたいだけど、可愛くないから素体をペキニーズにしたよ(唐代にペキニーズがいたのか知らないけど、《簪花仕女図》に描かれている子犬がペキニーズっぽいから) 積読を消化しててたまたま岡田和一郎編『漢とは何か』(東方書店 2022)、菊地章太『儒教・仏教・道教 東アジアの思想空間』(講談社 2022)を立て続けに読んだんですが、2冊とも中国史の概説書や歴史書を読み込むだけでは手が届かない部分の知識や感覚を身に付けるのにとてもいい本でした こういう「中国史」(現代中国を含めない帝政期中国)を勉強する上で役立つ本いいよな〜 今年出た竹内康浩『思考と行動の中国史』(山川出版社 2022)もその系統の本なのでおすすめです あとTwitterで定期的に名前を出してる『「生き方」の中国史 中華の民の生存原理』(岩波書店 2005)もおすすめ 『漢とは何か』の参考文献に竹内先生の『「正史」はいかに書かれてきたか―中国の歴史書を読み解く』(大修館書店…