March 27,2017

耳が連動している

喜の元ネタが最高なので書いておきます

貞観二十一年(西暦647年)、李世民は翠微殿へ御幸し、侍臣に訊ねた。
「古の帝王は、中華を平定できても戎・狄を服従させることはできなかった。朕は古人に才能では及ばないが、成功では上回っている。しかし自分ではその理由を知らない。諸公は各々率直に意見を言ってみろ」と。
群臣はみな讃えて言った。
「陛下の功徳が天地に行き渡っているので、万物がその下に入ったのです」と。
李世民は言った。
「そうではない。朕が成功したのには五つの理由がある。
一つに、古来の帝王は己より優秀な者を忌んだが、朕は人の長所を自分のもののように思う。
二つに、人には得意不得意があるが、朕は短所は見ずに長所を取る。
三つに、人主は往々に賢人を出世させれば慕われたいと思い、不肖を退けるときは谷へ落とそうとする。朕は賢者を見れば敬い、不肖の者を見れば憐む。賢人にも不肖にも各々得る場所がある。
四つに、人主の多くが正直者を憎み、陰で誅し公に殺戮することの無い時代はなかったが、朕は即位して以来正直の士と朝廷で肩を並べ、未だかつて一人も責罰を与えた者はいない。
五つに、古来から皆中華を貴び夷狄を卑しく扱うが、朕は一人これを同一に愛する。故にその種落の人間は皆、朕を父母の如く慕うのだ。この五つが朕がこんにち成功した所以だ。」と。
李世民は褚遂良を顧みて言った。
「公はかつて史官を務めていたが、朕の言葉は実を得ているか?」と。
褚遂良は言った。
「陛下の盛徳は記しきれない程ですが、陛下がこの五つを挙げられたのは、けだし謙謙の志があるからでしょう」と。
(『資治通鑑』巻198)

こういう帝王のドヤ顔語り好きです
あといつも李世民に厳しい褚遂良が珍しくここで世民を褒めてるのがかわいい