装束メモ:唐

唐代の装束についてのメモ 主に袞冕・常服など


被り物・冠

(21.11.15)


盤領袍

房玄齢が被っているのは進徳冠という貞観八年(西暦634年)に李世民が翼善冠と共に制定した冠です。李勣の墓から出土した冠もこれ。
〈至貞觀八年、太宗初服翼善冠、賜貴臣進德冠、因謂侍臣曰「襆頭起自周武帝、蓋取便於軍容。今四海無虞、當息武事。此冠頗采古法、兼更類襆頭、乃宜常服,可取服。」褲褶通用、此冠亦尋廢矣。〉(『大唐新語』釐革第二十二)
(20.04.01)


袞冕

(18.03.18)

(18.03.11)


常服

唐代の常服は幞頭(頭巾)+盤領袍+袴褶+革帯+革靴というスタイル。
貞観代以降の唐の官僚は原則として元旦や儀式のとき以外は常服で職務についていました。
盤領袍の色は品位によって異なり、貞観四年(630)八月に李世民によって
天子:赭黄(赤味の強いオレンジ)
三品以上:紫
五品以上:緋
六品七品:緑
八品九品:青
と定められました
官僚の妻も夫の品位の同様の色の服を着るよう規定されました。
(参考:『旧唐書』輿服志、太宗本紀)

いつも李世民の服を黄色で塗っているのは明代に描かれた肖像画を参考にしているからで、実はフィクションです。
盤領袍の龍の刺繍も明代の肖像画を参考にちまち描いた素材です。盤領袍に龍紋がつくのは元代からだとか。
盤領袍の裾の長さは、壁画などでは武官は膝丈程度に、文官は膝丈より長めに描かれていることが多いようです。
(17.08.31)


盤領袍

(17.04.22)